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「オタク『文化』」よ、おまえも「マーケティング」の餌食になるのか?
マニア消費者層はアニメ・コミックなど主要5分野で2,900億円市場〜「オタク層」の市場規模推計と実態に関する調査〜(野村総合研究所)

スルーしようと思っていたが、まったく関係のなさそうなところからも議論が起きている(「blog::TIAO/マーケティングされる「オタク市場」・・・真夏の白昼夢か?」)ので、私見を述べさせてもらうことにする。

正直なところ、これが「終わりの始まり」にならなければいいが……と心配している。それは、私が「歌謡曲」文化の「マーケティング」の影響による没落を目の当たりに見てきたからである。
私が「歌謡曲」文化崩壊の萌芽をみたのは、いまからちょうど20年前の1984年。私はこれを「軽薄曲はやり」と名付け憂えたが、当時そういう想いを共有する歌謡曲関係者はほとんどいなかったのではないか(すでに故ロイ・ジェームス氏は「歌謡ベストテン(ニッポン放送系)」をやめていたし、阿子島たけし、伊藤強、中根幸夫という音楽評論家三氏による「歌謡曲只今ヒット中!(ラジオ関東=現RFラジオ日本)」も終わっていた)。

思えばそれは「CMソング」という考え方の発生からはじまった。現在では当たり前のように行われている「タイアップ」(それまでは映画主題歌ぐらいしかなかったが、やがてCMソングのほかに、テレビ番組のオープニングやエンディング・挿入歌、さらにはOVAをも含めてまでそう言われるようになった。私は当時「映像がらみ」と呼んでいた)という手法。これが没落への序曲だったのである。

もちろんはじめのうちは、「タイアップ」でも質の悪いものは売れてはいなかった。しかし、やがて「タイアップすればある程度以上には売れる」というか、タイアップがもっとも効率的な宣伝媒体だ、ということが「マーケティング」的考え方として喧伝されるようになると、風向きが変わってくる。「売りたいもの」を「タイアップ」の対象として、いかに売り上げを高くするか、という課題が提示されるのである。
ここで重要なのは、「売りたいもの」の「質」は関係ない、ということである。あくまでも「投下資本の回収」が至上命題となるから、そのために「お客様=消費者」の意見を監視し、必要に応じて巧みにコントロールし(=だまし)つつ、「われわれはお客様の声に応えてこの曲(歌手)を売っています!」という「フリ」をする、という「余計な」仕事が増えることになる。

そんなタイミングに、歌本雑誌「月刊歌謡曲」で「下世話」事件が発生した。ある気骨のある(=悪いものは「悪い」と言える)音楽評論家が、当時の大人気バンド「チェッカーズ」の新曲を「下世話」という言葉を使って評した。一般的にはいい意味には使われていないこの言葉であるが、実は歌謡曲評論では「一般の人たちにわかりやすく、受け入れられやすい」、すなわち「親しみやすい」という「いい意味」で使われていたのである。しかし、案の定、そんなこととは知らないチェッカーズ・ファンの読者から複数の抗議文が出版社に届き、これらが紹介されるとともに、その音楽評論家は「クビ」になってしまったのである。……当然次にその役を担う評論家はふぬけであり、少なくとも表面上は「悪い」と言わないようになってしまった。「歌謡曲」が「文化」としてのモノサシを失ってしまった瞬間である。

……この流れの結末は、NHK紅白歌合戦の視聴率(ビデオリサーチ社調べ)[1984年から1986年にかけての下降ぶりに注目!]をみれば一目瞭然であろう。
「国民の愛唱歌」となるような歌は生まれなくなり、「歌謡曲」は完全に「マーケティング」の軍門に下り、「文化」から「単なる娯楽のひとつの選択肢」に成り下がってしまったのである。

私にとって、最近のJポップ評論など、もはや「どうでもいい」世界である。それは焼き払われた荒れ地に辛うじて根を下ろす、繁殖力のない小さな雑草程度のものでしかあり得ない。先般のエイベックスグループでの不祥事が何を象徴しているか、少し考えればわかることであるし、坂本龍一教授の「energy flow」(リゲインのCMソングだったピアノ曲、といったほうが通りがいいか)のミリオン・ヒットは、そんな業界に庶民が食らわした鉄槌だと思えてならないのである(参考:拙文「歌謡歌手診断士の流行観察局」より)。

----- * ----- * ----- * ----- * -----

野村総合研究所が「オタク」文化エリアとしている分野のうち、「アイドル」による「歌謡曲」の世界は、1980年代の終わり、おニャン子クラブとともに、事実上崩壊してしまった、と私は考えている。つんく♂プロデュースによるおニャン子クラブ模倣版「アイドル歌謡」にしろ、一時のあだ花に過ぎない(「忘年会ソング」になった「LOVEマシーン」は、「アイドル歌謡」の世界を超えている、という意味で唯一の例外)し、それ以外の「アイドル歌謡」勢力など、コアな一部の層にだけ選好されているわけで、事実上なきに等しい。

そして、やがて「コミック」「アニメ」「ゲーム」の世界も、このまま「マーケティング」に浸食され、「文化」の座から転落していくことになるのであろうか。私の心配が杞憂であってくれ、と願うばかりである。
| オタク話 | 13:10 | comments(2) | trackbacks(5) |
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コメント
takayanさん、blog::TIAOへのコメント&TBありがとうございました。

>まったく関係のなさそうなところ

ってのが笑えますよね。
正直、スルーしようかなとも思ってみたのですが、いい小論文を思い出したので、その紹介を兼ねて記事にしました。

目先のニュースに気をとられがちになるのですが、その大舞台としての日本の文化状況はちょいと気がかりですね。

フラットに飼いならされた家畜状態。
待遇はそれほど今のところ悪くないのですが・・・

森岡正博さんの「無痛文明論」もこの夏読もうと買っているのですが、まだ手つかず。

ところでいろいろなサイト持っていますね。
他の方もそのうち訪問します。
これからもよろしく。
| MAO | 2004/08/26 8:46 PM |
MAOさん、
コメントバックありがとうございました。

> いい小論文を思い出したので、その紹介を兼ねて記事にしました。
>
そのあたりはMAOさんらしい感じがします。

> フラットに飼いならされた家畜状態。
> 待遇はそれほど今のところ悪くないのですが・・・
>
「オタク」エリアについてはまだ「それほど悪くない」で済みますが、
私が「キチガイ」だった「歌謡曲」(いまではすっかり「Jポップ」ですね)
エリアについては、「中途半端に悪い」状態で、まだまだ「底」が見えない状況ですね。

映画などは一度いいかげんマーケティングなど通用しない「底」を見て、
そのときに「面白いものをつくってやるんだ」という監督さんが複数いた、
というところからなんとか立ち直れましたが……。

受け手の側が「快」「楽」を求めていることは確かなのでしょうが、それは「マーケティング」の手法がそうさせる手助けをしてきた、ということは、無視してはならない事実だと思います。

> ところでいろいろなサイト持っていますね。
>
単にブログホスティングサイトをあちこちいじくって遊んでいるだけです。
ほとんど放置状態のところもありますので、
MAOさんのような多忙な方に、あちこちご覧いただくのは、申し訳なく思います。
| takayan | 2004/08/26 11:18 PM |
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